味の特徴
大野醤油はうまくちしょうゆ
関東や関西にはそれぞれの食文化があり、そこには醤油の名産地があります。関東の辛口、関西の淡口といった醤油の違いは、各地域の食文化の特徴を反映していると考えられます。
江戸時代から、大野醤油は甘味を持つのが特徴で、美味しさを引き立たせる旨味を持ち合わせる「うまくちしょうゆ」といわれています。
名峰白山を仰ぎ日本海に面した金沢・大野。加賀料理に代表される豊かな食文化と共に発展してきた醤油、それが大野醤油の「うまくちしょうゆ」です。
歴史
藩主前田家が発端
大野醤油の歴史は元和年間(1615〜1623)、加賀藩三代藩主・前田利常が大野の住人だった直江屋伊兵衛を醤油の発祥地、紀州・湯浅に向かわせたことに始まります。醸造法を学び、これを導入して金沢の港町「大野」で醤油造りが始まりました。
日本海沿岸の要港としての機能、醸造に適した気候と名峰白山の伏流水に恵まれたことから、手厚い藩の保護を受け醤油の産地として発展し、江戸時代後期には加賀藩の特産品として確固たる地位を築きました。その後、明治時代には60以上の醤油醸造業者が集まる一大産地となりました。
地域ブランド
小さな蔵の頑固職人が造るブランド
石川県金沢市大野町で醸造される、各醤油メーカーの醤油は全て「大野醤油」という地域ブランドしょうゆです。しかし「大野醤油」と言ってもさまざまな味があります。
他の産地とは異なり大野醤油に大企業はありません。20以上の小さな醤油蔵がそれぞれの味、お客様を大切にする職人気質だからです。つまり、同じ基本ポリシーをもつが、それぞれのこだわり醤油、それが「大野醤油」です。
だから、大野醤油は沢山のブランドがあり、数百のバリエーションをもつ巨大ブランド醤油となっています。
なお、「大野醤油」は輪島塗・九谷焼・加賀友禅と同じく、石川県の地域ブランドとして地域団体商標に登録されています。
むらさき会セレクション
Myしょうゆプロジェクトは、大野醤油の若手後継者で作る「むらさき会」が企画・運営しています。Vol.1の5品は「むらさき会」所属の蔵元を中心に、各々のおすすめ商品をセレクトしました。それぞれの「大野醤油」を是非お試し下さい。
大野醤油協同組合
浅恵醤油、浅重醤油店、粟宗醤油味噌、粟長醤油(株)、奥村醤油醸造所、川崎醤油店、(株)カミヨ、川助醤油店、紺市醤油製造元、紺善醤油味噌、紺田総一醤油店、橘醤油店、近村醤油店、直源醤油(株)、橋栄醤油みそ(株)、橋徳醤油店、浜与醤油店、フジキン醤油(株)、三津守醤油味噌醸造所、三輪醤油(株)、無量井醤油醸造所、山久醤油店、(株)ヤマト醤油味噌、由水醤油味噌店、由水椋雄 (五十音順)、大野醤油醸造協業組合
※ Vol.1セレクトの蔵元